本全体の質はまあまあなのですが、理論の飛躍が度々あり、「最高の睡眠」に関わる部分が全体の2-3割程度と、あまり求めているものではなかった感じでした。
この本の著者の専門は "ナルコレプシー" で、扱っている内容もナルコレプシーに関する内容が多いです。 ナルコレプシーと関係のある、睡眠を司る脳内物資の話もあるのですが、ナルコレプシーを勉強したくて読んでいるわけではないので、ちょっとこれじゃない感があります。
また、本の内容は豆知識みたいな話題の割合が大きく、 自分で実戦できることが割と少ない です。 基本的に、同じ時間に寝る、寝る90分前に風呂に入る、食事をちゃんとする、室温を整える、くらいだと思います。
以下自分が役に立つと思った部分まとめ
- 睡眠で一番重要なのは入眠後の90分
- 体温調節が重要
- 体の表面温度と深部温度の差が大きいほど覚醒度は上がる
- 寝る前の90分前に風呂に入ると、深部温度が一時的に上がった後、寝るときに下がり始め、体温の差が縮まるのでぐっすり眠れる
- 室温は絶対整えておくべき
- 470nm の波長付近の光が覚醒と関係ある
- いわゆるブルーライト
- 網膜でこの波長を受け取ると睡眠を誘発するメラトニンの分泌が少し抑制される
- 普段入眠する時間帯の2時間前は、逆に入眠を阻害するように脳が働くため、"早く寝る" ことはしにくい
- ヒトの時間遺伝子の概日リズムは、正確には24.2時間 (以前の研究では25時間だと考えられていた)
- 昼食後に眠くなる現象は、時間帯に依存し、食事とは関係ないらしい (これは意外)
- スペインには、"シエスタ" と呼ばれる昼寝の習慣がある
一冊を通して、暗に「割と個人差あるよね」という雰囲気が多かったです。