ペルチェ素子とは
ペルチェ素子を三行で説明すると、
- 小さな p型 / n型 半導体を直列に接続した電子部品
- 電圧をかけると片面が熱を持ち、その裏面は冷える
- 逆に、裏表で温度差を作ると、電圧が発生する (ゼーベック効果)
本当は電池を繋いでいるところをブログに上げたかったのですが、サーモカメラでもないと熱を可視化できないので諦めました。
かつおぶしを乗せて、ペルチェ素子の上で揺れている様子を動画でアップしても良かったのですが、なんとなく気が乗りませんでした。
ペルチェ素子の裏表
ペルチェ素子に裏表はなく、電圧の正負により、その面の加熱・冷却が決定します。 実際に電池をつないで確認してみましたが、たしかに電池の正負を逆転させると、温冷も反転します。
ペルチェ素子と熱迷彩 (infrared stealth)
ペルチェ素子は、応用として軍事的な用途も考案されています。 イギリスの BAE Systems社 が開発した Adaptiv *1 は、ペルチェ素子を軍用車両の表面に配置することで、熱迷彩を可能にしたステルス車両技術です。 これによって夜間に赤外線暗視装置によって発見されにくくなり、生存率が上がります。
ステルス系の技術は調べれば調べるほど面白いですね。
ペルチェ素子をバラす
ペルチェ素子を分解したという情報がネット上に見つからなかったので、バラします。
買ってきて早々にバラすのは少しかわいそうですが、実際の中身を把握しておきたいので、1つ犠牲になってもらいます。
表面のセラミック部と半導体部が頑丈に接着されていて、セラミックをラジオペンチで砕く以外に原型を留めながらバラす方法がわかりませんでした。
どちらが p型 / n型 半導体か一見わかりませんが、たしかに立方体の半導体が直列につながっているようです。
何らかの用途で p型 / n型半導体の単体を入手したい場合、ペルチェ素子を使うと大量に入手できますね。
もうこのペルチェ素子は (回路が絶たれたため) 通電することはできませんが、部分的な構造は生きているので、保管しておこうと思います。
おわりに
ペルチェ素子は、温冷を生み出せる / 温冷から電気を産める というめずらしい性質と、そのコンパクトさから、色々と面白い用途で使えそうです。 何か作ったらまたブログに書きます。
また、特に火山大国の日本において、「ペルチェ素子は地熱発電に将来使えるのではないか?」という希望が持たれています *2。 大規模な発電はできないため、今後に期待といった感じです。
ほかにも沢山書きたいことはあったのですが、半導体や電子、熱の動きなど、そこそこちゃんと掘り下げないと語れない部分が多かったので、しっかり勉強した後でまた話題にしたいと思います。