「Day-97 最強の金属」の記事を書く前に買った本になります。
念のために金属元素をもう一回見返して復習しておこう、という目的と、辞書的に簡単に引ける元素の本が欲しかったため購入しました。値段も800円くらいと、専門書などと比べるとそこそこ安い。
辞書的に引ける、というのは、金属の融点とか原子量とかの細かい数字を今後引用することが増えると思ったので、Wikipediaから毎回引くよりは、しっかり著者が判明していて変更されない引用できる文献が欲しかったんですよね…
本の内容としては、周期表の前半(キセノンくらいまで)は、割と教科書に載っているような普通のことが書いてある感じです。 ポイントとしては、"発見年" や "価格" がほとんど抜け落ちがなく書いてあるのが、貴重でありがたかったです。 今まで調べていないだけで、意外と安価な金属をいくつか知れたので、今度海外ルートで買ってみようと思います。
そして、この本は後半で本領を発揮します。 基本的に化学の教科書で扱うランタノイド・アクチノイド系の元素は、ネオジム、プルトニウム、ウラン程度だと思うのですが、この本はランタノイド・アクチノイド系の元素全ての詳細を、工業的要素などを例に書き上げています。
例えば、EU (ユウロピウム) については、「ブラウン管の赤色の蛍光体として知られている」「EUの紙幣(ユーロ)にもユウロピウムが使われており、偽造防止効果がある」などの説明がされています。
あとは、知ってる人は既に知っていたと思うのですが、元素の周期表の7周期目ってもう全て埋まっていたんですね。 一番右下が、元素番号118版 オガネソン Og。カリホルニウムにカルシウムを衝突させると一瞬だけ生成できるらしいです。 発見年は2002年で、かなり昔に発見されていたみたいですね。知らなかった。
これまで発見された元素について、平易かつ簡潔に書かれているので興味がある方は買ってみてください。 ペラペラめくりやすいので物理本がオススメです。
余談
ちなみに、8周期目以降についてはこの本でノータッチですが、Wikipedia によると2016年時点では全て未発見らしいです。
さすがにここまでくると2次元の周期性を超えて、別の次元に周期性を発見しにいったほうがお得かもしれないですね。 7周期目の時点でほとんどの元素が文字通り"秒"で崩壊してしまうので、8周期目になると作るのも検証するのもめんどくさそう。