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Day-172 本レビュー『自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」』

久々の本レビューです。

元々、僕は「ものの言い方」が悪いことを自覚しており、それを改善しようと思っていました。 特に悪意とかはないときでも雑な表現で他人を傷つけてしまうかもしれないので、それを治そうと思い購入しました。

ちなみに、Kindle版だと¥500くらいで買えるので安いです。 こういう言い方とかの改善方法をまとめた本を買うのは始めてだったので、安い本にしておきました。

「言い方」の観点が面白い一冊

この本、面白くてあっという間に読んでしまいました。 それは、「言い方」に対するスタンスを終始、「医学」として捉えているという点です。「感情」や「テクニック」とかではなく。

オイオイ、言い方が医学ってなんだそれ…と思ったのですが、結構説得力があったのでこの本はオススメです。

言い方は自律神経のバランスが崩れたとき悪くなる

前提として、どんな人でもちゃんと精神が安定していてば正しい物言いができます。

ただ、言い方が悪くなる人は、自律神経のバランスが崩れやすい or 崩れたときの対処法を知らない、ので言い方が悪くなるというのがこの本の主張です。

自律神経のバランスというのは、交感神経副交感神経の活性のバランスです。 交感神経が高まると人間は興奮状態になります。逆に、副交感神経が高まると、リラックスした状態になります。 理想は、交感神経副交感神経ともに高い状態にあり、バランスが取れている状態です。

そしてバランスが崩れる、というのは、どちらかが低くどちらかが高いレベルにあるか、もしくは両方が低い状態のことを指します。

言い方が悪くなり、相手に対し攻撃的な言い方をしてしまうのは、交感神経が優位になり攻撃的な面が出てしまうから、というのがこの本の主張です。 逆に、副交感神経が優位だとやる気がないような、萎縮した言い方になるそうです。

たしかに、普通の人って機嫌が良いときに悪い言い方はしないですよね。 逆に体調が悪い時とか、焦ったりしていると悪い言葉が出がちなのは確かだと思います。

言い方は伝染する

例えば、2人での会話で、片方が攻撃的な言い方をして相手を刺激すると、刺激された側の交感神経が刺激され、相手の言い方も悪くなります。 こういうときに会話のバトルが始まってしまうという話です。確かにこれは思うところがありますね。

怒鳴り声が聞こえると人間の作業効率が2割落ちるとか、そういう話もあった気がします。

この本では以下の「言い方」を推奨しています

  • 自分の自律神経が乱れているときは、乱れていることを意識できるようにし、コントロールできるようにする
  • 相手の自律神経のバランスを崩さない「言い方」をする(例えば、笑顔で話しかけるとか、ゆっくり話すとか)

まとめ

基本的に、この本では「対話する相手との自律神経の駆け引き」の方法が書いてあります。

言い訳しないとか、丁寧に話すとか、わりと当たり前のことが多いのですが、説得力のある文脈で書いてあるので個人的にはオススメな一冊です。

ちなみに、この本の著者は医師の方らしいのですが、「おわりに」で書いてある文章がかなり好きだったので引用して締めることにします。

『当然ながら、人の命には限りがあります。しかし、医療の進歩とともに、そのことを忘れている方も少なくないと感じます。病院に来れば病気は治る。そう思っているのです。しかし、人はいつか必ず命の終わりを迎えます。
 私が本書で最もお伝えしたいのは、そんな人生の貴重な時間を、「言い方」で台無しにするのはもったいないということです。たとえ、平均寿命より命の灯が早く消えるとしても、勝負は、その瞬間まで元気に明るく生きられるかどうかです。そしてそれを根幹から支えているのが「言い方」なのです。』

小林弘幸, 『自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」』(幻冬舎文庫) より