これを3ヶ月くらい前に買って積んでいたので、ひとまず触ってみることにしました。
この本にはCDが付属していて、70MB程度のデータが入っています。 中には、3Dモデルと、3Dモデル同士の構造関係を保存しているファイルが入っています。
3Dモデルは、lwo形式 (=LightWave 3D Object) のもので、クリスタで3Dオブジェクトとして読み込みが可能です。また、iPad版のクリスタでも使用可能です。
また、3Dモデル同士の構造関係を保存したファイルは lws形式 (LightWave 3D SceneFile) で保存されており、これをクリスタで読み込むことで構造化されたデータ(部屋のベッド、床、天井などが合体したファイル)が読み込めます。
まとめると、lws形式のファイルを読み込めば簡単に背景のプリセットが利用できるということです。
iPad版クリスタで読み込む
まず、データをiPadに移行しなければならないのですが、基本的に本に書いてあるとおりにやればできます。
手順は以下になります。僕はWindowsでしかCDを読み込めないので、これらの操作はWindowsでやりました。
- iTunesをダウンロード
- iTunes経由でパソコンと接続したiPadと通信
- データをクリスタに送る
- クリスタ側でフォルダを整理
読み込んだ結果
玄関データの1つめを開いて、いじるとこんな感じになります。 初期データだと扉があったりするのですが、扉のオブジェクトを非表示にして玄関が見えるようにしています。
3Dモデルの上下に操作UIが出現して、最初はどれがなんの操作なのかわかりにくいです。
上に出現するUIは左から順に、
- カメラの操作(回転、平行移動、遠近)
- オブジェクトの操作(並行移動、2軸回転、1軸回転)
- 全オブジェクト操作(回転、平行移動)
となっています。
また、下に出現するUIは、クリスタのアップデートのせいでマニュアルに載ってない使途不明なのが右6つ。反応しないのが左2つで、基本的に使うのは左から3番目のレンチ(🔧)だけです。 レンチアイコンを押すと、サブツール詳細ウィンドウが開き、そのウィンドウからオブジェクトの階層構造を見たり、特定のオブジェクトを非表示にしたりできます。
基本は、「(1) レンチ → (2) サブツール詳細からオブジェクトを直接指定 → (3) 移動や回転、非表示など」を繰り返し、理想の構図を得る感じなんだと思います。
実際に使ってみた
とりあえず使ってみるに越したことはないので、一枚絵に利用してみました。
色々失敗した所とか難しい部分があったのでメモっておこうと思います。
失敗した点
- 良かれと思って線画にぼかしを使ってしまった(塗りが超めんどくさくなったり、人物が浮いてしまっている)
- 一枚絵にするならもっとアップのほうがいいかも(構図はちゃんと練るべき)
難しい部分
- LT変換(3Dモデル→線画)がクリスタ独特のアルゴリズムで、慣れないと本に書いてあるような理想的な変換は難しい
- 線画に対して人力のチューニングは必要。手作業で線画のノイズを除去したり、見やすくする必要もある。これにもある程度慣れが必要そう
おわりに
たしかに、3D背景素材集は絵を描くときの強力なサポートツールとなり得ますが、LT変換や線画の修正などに慣れが必要であり、簡単というわけではないようです。 ただ、0から線画を作ることと比較すると、圧倒的に楽に描けるはずです。
触ってみた感じだと、どちらかというとカラー絵より、モノクロ漫画に対しての適正が強いと思います。 カラー絵は一度線画トレースを挟んだりしたほうが完成度が上がりそうですね。
最後に、なんと言ってもこの素材集のすごいところは、コスパの良さにあると思います。 3Dデータ200点、シーンデータ44点を含んで約4,000円なのはデータ量・汎用性に対して、圧倒的に格安だと思います。