CC56

CC56: 567収束までに達成したい56リスト

Day-187 才能と努力に関する考察 3

才能と努力に関する考察、最後になります。

初回

hyper-pigeon.hatenablog.com

2回目

hyper-pigeon.hatenablog.com

能力上昇のリプシッツ制約

これは、器ベースの考え方に近いですが、「どれだけ頑張っても能力上昇には限界の傾きがある」という制約があるんじゃないかという話です。

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我々は人間なので、特定の能力が爆発的に伸びる奇跡みたいなものはありません。 そう思ったときはおそらく、知識や経験の土台がしっかり固まった上で、残りの1ピースがカチッとハマったタイミングなんだと思っています。 (偶然によって、能力を効率的に伸ばす環境を得られる場合はある。)

正常な人間は、気合いを出して頑張ると、頑張った分だけ後から休憩時間を徴収されるため基本的に差し引き0になると思います。 これは修正力ベースで話した「回復力」と同じ考え方です。

ただ、成長の傾きは限界までやってみないと分からないので、頑張ることは損じゃないと思います。

要するに、この制約は「未来にあんまり期待しすぎずベストエフォートで挑もう」ということです。 1分・1時間単位の成長量で考えると爆発的に伸びているように勘違いしてしまうときがありますが、数年単位で見ると概ね成長の傾きは一定だと思います。 (器ベースは指数的に伸びるイメージでしたが、こちらは線形です。一応、対数を取った後の成長率を考えると矛盾しないとは思います…)

どれだけ詰め込んでも伸びる量には限界があります。ただ、やらないと伸びないのでとにかくやろう、というのは修正力ベース・器ベースとも共通している信念です。

才能と努力に関する悩みは人類共通だと思います。人間の伸び悩むパターンは有限だと思うので、伸び悩んだときに最適に近いアドバイスをくれる教師AIの開発を期待しています。

その他の考察

これまで合わせて3つの記事を書きましたが、才能と努力に関してはまだまだ色んな要素があると思います。

僕は音楽が全くできないので分かりませんが、音楽をやっている子供と親の年収に関係性があるとかそういうデータもあったはずです。

また、絶対音感も5歳(?)までに獲得しないと永久に失われるとか、スキルのタイプに応じて色々な例外があるはずです。これに関しては例外のほうが多いと思います

運に関しては、例えば自身が既に優れている場合は運が絡みにくい安定した方策を続ければいいと思います。 逆に、逆転の可能性に掛けたいなら運の要素が大幅に絡んでくる(分散の大きい)方策を取ることで、ワンチャンスを掴めるかもしれません。 ただし、ワンチャンスのゲインが大きければ大きいほど良いわけではないというのは、宝くじが100%当たらないくらい直感的だと思います。 あくまで自分の実力がある程度ある場合、運が説得力を持つという話であり、運がいい場合に効果を発揮できる実力までまずたどり着くべきだと思います。

また現実的に、世の中の大抵のものはお金があるほど試行回数を稼げる(時間稼ぎができる)ので、特に何もやりたいことがないときはお金を稼いでおくのもアリかもしれません。

あまり似たような考え方を持つ人を見たことがないですが、才能の反対「反才能」というのも個人的に存在するんじゃないかと思っています。 ある能力が高い or ある属性を持っており、別の能力と何らかの理由で競合する場合、それを「反才能」と呼んでいます。

反才能は、無自覚であれ自分の長所が別の才能を潰すのでかなり厄介な存在だと思っています。

こちらの経験に偏ってしまいますが、理系全般は基本的に習得に莫大な時間を消費するため、同じく莫大な時間を消費する絵と相性が悪いはずです。 ただ、シンプルに頭のいい人は全ての能力が高い傾向にある(理由は不明)ので、理系でも頭がいい人は絵も上手い人が多いと思います。

また、日本の場合、単純に「女性」であるということ自体が、「工学」「コンピュータサイエンス」と相性が悪いのは数で考えると明確です(女性がコンピュータサイエンスを習得する能力が低いのではなく、男性と比較しコンピュータサイエンスを学ぼうとする女性が少ない何かしらの原因があり、日本に生まれただけで才能が発現する確率が減る)。 逆に、「男性」が反才能となるスキルも数多く存在します。

反才能に関しては、ベイズ的な要素が絡み、文章で説明すると誤解を生みやすいので別の機会に記事を書くかもしれません。

おわりに

結局、才能というのは、その人の「気質と才能の相性」が一番大事なんじゃないかな、という風に考えています。

才能と気質が一致している場合相性がよく、才能と気質が噛み合っていない場合精神的に悪影響です。

噛み合ってない例として、絵に関しては才能が無く目標が高いのでかなり苦しいです。 対象的に、才能を余している一方、別に伸ばしたいとも思っていない運動神経(たしか高校3年のときの体力テストは76/80)は過剰で無駄だと思います。

噛み合っている例としては、音楽の才能は全く無い(音感がなく音の区別がつかない、生まれつき音を聞き分ける力がかなり弱い、カラオケでも90点超えることがほぼ無い)ですが、このままでいいと思っています。 また、才能があり、気質も一致している工学はかなり楽に上達できます。

才能に合わせて気質を上書きしている人をよく見ますが、たぶんあれが一番いい才能との向き合い方なんだと思います。

僕は、才能はあったほうが良い & 能力も高い方が良いという考えをしていますが、あくまで人間は誰しもその人なりに頑張っている(努力しているつもりはなくても無意識に精一杯やっている)というのが基本だと思うので、他人にこの考えを押し付ける気はありません。

今回の「才能と努力に関する考察」は以上になります。