CC56

CC56: 567収束までに達成したい56リスト

ナイトハイカー

昨晩、高尾山で突貫ソロナイトハイクしてきました。

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落石注意(それは無理)

ナイトハイクとは

そもそもナイトハイク (Night Hike) とは何かというと、文字通り夜にするハイキングです。 わざわざなんでそんなリスキーなことするんだ…という疑問もあると思いますが、夜景が綺麗とか、空気が澄んでいるとか、静寂を楽しみたいとか、朝日を拝むとか、人それぞれ理由があるんだと思います。

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夜の高尾山の入り口

ナイトハイクした理由

僕が今回、高尾山でナイトハイクをした理由は、56項目の高い壁であった「富士山を一合目から登る」のための事前訓練です(去年はそもそも富士山が閉山していたので、ペンディングしていたのですが、今年は開山しています)。 富士山を一合目から登る場合、よほどの達人でない限り夜を跨ぐことになります。夜は当然山小屋に泊まりますが、夜が訪れるまでに山小屋に到達できる保証はありません。

また、理由を細かく砕き箇条書きすると以下のようになります。

  1. ナイトハイクの練習
  2. トラブル対応力の確認
  3. 足りない装備品の確認
  4. 体力チェックとトレーニング
  5. ヘルニア・下り坂における膝の様子見

(1) まずナイトハイクの練習が第一ですね。暗闇に眼と精神を慣らし、暗闇で歩けるようにする。 暗闇で周囲が把握しきれず、足元も不安定な場所を歩いていると平衡感覚が奪われます。 そして、暗闇における恐怖と折り合いを付けるというのもポイントだと思います。 危険を無視せず、危険を感じたら撤退する判断力を失わないようにする、という感じです。

(2) トラブル対応力の確認。これは予想外のことが実際に起きてしまった場合に自分が対応できるかを俯瞰したかった感じです。 登りで「ヒヤリ」が4回ありました(ハインリッヒの法則: Wikipedia)。 これは大半が序盤における足元の不注意が原因でした。暗かったので進路を間違えるのが怖くて、前方に気を取られていたんですね。 なので、「足元」「進路」「周囲情報」に対する注意力をよりトラブルが発生しにくくなるように微調整し、結果的に登りの後半と下りでは1度も問題は発生しませんでした。

(3) 足りない装備品の確認。やはり登ってみて分かったのですが、靴が大事です。あと服装も適切でないと、汗だくで消耗してしまうことが分かりました。

(4), (5) は特に説明する必要はないですね。

装備・所持品

当日思いつきで突撃したので準備に1時間もかけてません。服装は普段着・ジーパン・スニーカー・普通のリュックで、特別に用意したものは100均で買った手持ちライトとヘッドライトだけです。

ヘッドライトは若干出力に不安があったのですが、手持ちライトと併せることで視界は問題ありませんでした。 コンパスはお守りです。一度も使いませんでした。正直ポケモンGOのアプリのほうが役に立ちます。

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装備品

かなり前に一度だけ夜の富士山を登ったことがあるのですが、正直高尾山のほうが暗かったので、装備的にはそこまで問題ないかもと思っています。ただ、ヘッドライトに関しては雑な作りでややフィット感が悪いので、ちゃんとした登山用のものを買おうとは思っています。

登り

高尾山口駅に着いたのは19:30、完全に陽が落ちた後です。

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夜の高尾山口駅

登りは6号路を選択しました。森林に囲まれた無舗装、無電灯の自然道です(落石地点等は整えられていますが)。ここが難易度、距離的にちょうどいいと思ったからです。

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6号路入り口。正直もうちょっと明るいと思っていた

道中は、基本的に沢沿いだったこともあり、体感湿度70-80%くらいの場所を延々と歩いていました。めっちゃジメジメしてました。

登りには55分かかりました(3時間くらいかかると思っていました)。 このタイムは僕が普通に高尾山を登った時とほぼ変わらないのですが、理由は単純で、ライトをつけたまま休憩したりすると羽虫がめちゃくちゃ集まってくるからです。 結果的にほぼ休憩なしで登りきりました。富士山は5, 6合目から森林限界を超え、昆虫がほぼ出なくなるのでライトで羽虫が寄ってくる心配は無いんですけどね…

道中で写真、動画を撮影しました。iPhone8のカメラだとほとんど闇に見えます。実際闇ですが、肉眼だともう少しまともに見えます。

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ちなみに、登りですれ違った人は、6号路の入り口付近で1人+1集団だけでした。タイミング的に、おそらくこの方達は日の入りを見てから下山したのでしょう。また、登山中誰からも追い越されることは無かったです。

頂上

自販機の明かりのみが灯る静寂な広場でした。 たまに人は通るものの、ソロハイカーのような人が来ては去るといった雰囲気でした。

〜頂上。6号路の終端に地獄の階段(200段くらい?)があり、バテてます。キモいのでミュートにしたほうがいいかもしれません。

youtu.be

写真です。たぶん東京のほう向いてます。

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頂上から見た夜景

頂上には、謎のオブジェも置いてありました。脈絡が理解できず困惑しました。(どこかに説明が書いてあったのかも知れない。暗くて見つからなかったけど)

youtu.be

この時点で20:30。終電逃すのが怖かったのですが、登りでそこまで時間がかからなかったので30分ほど頂上でのんびりしていました。 ライトを消し、暗闇に眼を慣らすと星が煌めいていて、「山」を感じました。

下り

下りは安全を取り、1号路を選択しました。この時点で21:00程度。終電は23:30くらいまであったので安心して下れました。 登りで体力をそこそこ使っていたこともあり、下りは膝への負担が大きいため、かなり歩幅を狭めゆっくりと下りました。

下り始め、謎の音が遠くから鳴っていたので気になったのですが、ただの風鈴でした。

youtu.be

1号路は基本、完全に舗装された道路であり、道中半分程度は明かりも十分です。 そもそも富士山において、下りのナイトハイクをする予定がないため、消化試合的に下った感じです。 富士山の下りは膝への負担がすさまじいため、それに対する筋トレになったとは思います。

すれ違った人(登ってくる人たち)は以外と多く、10組程度のチームとすれ違いました。 内訳としては、8組ほどの虫取りグループ(めちゃくちゃ長い虫取り網を持っていました)と、虫あみを持っていない1組、また暗闇の中ライトすら付けず鈴の音を鳴らしながら登ってくる謎の人間とすれ違いました。声も掛けられましたが、顔は見えなかったです。

1号路の標高高めの場所は虫取りスポットになっているようです。道中謎の虫に頻繁にエンカウントしましたが、虫取りの人々はどの虫目当てで来ているのかはわかりませんでした。

下山完了。この時点で22:15くらい。ここからさらに高尾山口駅へ歩く。

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1号路の終端地点

おわりに

ナイトハイクの良い予行演習になったと思います。 富士山と比べ、森林限界や気圧・地層などの環境は大幅に違いますが、暗黒の中進むという恐怖は同じだったと思います。 この恐怖心を自分自身で理解し、無理に振り払わず、そして恐怖に振り回されないようにするいい訓練になりました。

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東京に住んでいればどこであれ、気軽に高尾山にアクセスできると思います。 6号路のナイトハイクは滑落のリスクがあるため正直オススメできませんが、1号路はそこそこ楽なので興味を持った方は試してみてはいかがでしょうか。