2.5倍 の法則-2
44日前に書いた記事の続きです。
ひたすらこのことについて考えていたのですが、理由は大きく分けて三つあるというのが現段階の結論です。
先に書いておきますが、作業へのやる気や取り組む姿勢、計画性は関係ないです。
- 作業は AND 回路と同じ
- 作業の進行度合いは Sigmoid 関数のように進む
- ポワソン分布が支配するバグ
1. 作業は AND 回路と同じ
まず、AND回路というのは、AとBの要素があったとき、両方がオンになったときのみ「1」を取るというものです。
作業が完了する、というのは、完了している(=1)・完了していない(=0)の二値で表されています。 しかし、その作業自体は、作業1・作業2・...・作業n・...・作業Nという小作業から構成されている性質を持ちます。 これらの 作業n も同様にANDの性質を持っており、直列で構成されています。 (並列は基本的にないです。AかBをやればOKという作業は発生しますが、そのAとBは別のものと直列でつながっている作業だからです。一応、電気回路では「抵抗」を並列にすると抵抗値が下がります。そのタスク自体は潰しやすくなるのかもしれません。)
これらの性質によって、一箇所でもショート(回路が一つでもオフ)だと、作業が完了しません。
また、作業自体が別の作業を内包しているという構造がかなり厄介で、基本的に作業に取り組む段階では全く気づかない部分が多いです。 この構造が、想定より圧倒的に時間がかかってしまう理由の一つと考えています。
2. 作業の進行度合いは Sigmoid 関数のように進む
(これはかなりいい加減な内容ですが) 横軸が作業時間、縦軸が作業の進行度合い、のようなイメージです。 未知のものに取り組む場合、特に作業序盤と終盤に時間がかかります。
序盤の例は、ソフトウェアのインストールとか、ショートカットキーを覚えるとか、ソフトウェアの機能を把握するとか、プログラミング言語の文法を覚えるとか、禁止事項を覚えるとか、ルールを把握するとか、説明書を読むとか。作業自体はほとんど進まないけど、やらなきゃいけないことが沢山あるはずです。 (普通の人間なら、ここで難しい、理解できないことを理由に色んなものを投げ出してしまいます。 人間にとってこの坂道はあまりにも辛すぎる。 自分も9割以上やるべきことを投げ出して生きてきたのでたぶん個人によって差は無いと思います。)
作業中盤になると、線形(=時間に比例する)で作業が進行していくので気分が良いはずです。 あまりにも予想通りに物事が進むので、何でも分かった気分を味わえます。
しかし、終盤になると徐々に自分のペースが遅くなっているような錯覚に陥るはずです。 (ここでバランスを保つためにやる気のアクセルを踏み始めると、自分の直感的なアウトプット量と現実のアウトプットが大幅にズレてメンタルに悪影響を及ぼしがち)
また、Sigmoid の性質として、完璧を求めると永遠に終わりません。8割完了→9割完了と、9割完了→9割9分完了は後者のほうが圧倒的にコストが高いです。
3. ポワソン分布が支配するバグ
これが一番問題だと思っています。 ざっくり言うと、時間あたりに発生するバグの数みたいなものです。 (結構違うかもしれない)
その作業に慣れている人ならば、オレンジ色で、ほとんど障害が発生しない。何回かやったことがある人は、紫色でそこそこ障害が発生する。 初心者になるほど右側に分布が寄っていき、作業中に想定外の障害に多く躓く、というようなイメージです。
英語なら英単語が分からない、プログラミングならバグの発生、絵なら絵の修正などが該当すると思います。
ここで、何が一番問題かというと、慣れている行動をベースにして未来の予定を立てた時、障害の発生率が全く直感と異なる、ということです。 これは本当に、実際にその作業をしてみないと分からない分布なので、対処のしようがないということです。
これからについて
これらの仮説を立てたところで、この現象に対応する方法が今は思いつかないので、保留しておきたいです。 また何か思いついたら書きます。
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