CC56

CC56: 567収束までに達成したい56リスト

Day-57 Interleaved Learning

Interleaved Learning または Interleaving (インターリービング) という学習方法を最近知りました。 これは、AI 系の分野ではなく、人間の学習法の話です。

具体的には、Aの分野とBの分野を一時間ずつ勉強したい場合、それぞれを一時間ずつ勉強 (A→A→B→B) すれば、これは従来の学習方法のブロッキングと呼ばれるものになります。 一方、Aを30分、Bを30分を二回繰り返す場合 (A→B→A→B)、これがインターリービングにあたり、学習時のタスクの進みは遅いらしいですが、テストの点数はいいみたいです。

(AI の人向け説明: ブロッキングはバッチ学習。インターリービングはミニバッチ学習。)

日本語だとあまり情報が出てこないのですが、英語だとそこそこ動画とか出てきます。(1分40秒の動画)

↑ の動画をざっくり解説すると、

地理を勉強したいとき、「rivers: 川」,「droughts: 旱魃(かんばつ)」, 「pollution: 環境汚染」を覚えたい時、従来は「川」をしっかり理解してから次へ進もう、となりますがこれは間違いで、一度に同時に覚えてしまうほうがよい。という内容。

(英語が間違っていたらすみません。英語も勉強に組み込むようにします)

改めて文字に起こすと、だいぶ荒唐無稽な気もしてきますが、探してみた所、"The Effect of Interleaving Practice" (Taylor and Rohrer, 2010) という論文にたどり着きました。 アブストを読んだところ、内容がほぼ同一のものでした。 以下にアブストの一行目を引用しつつ、DeepL にかけたものを貼っておきます。

"これまでの研究では、異なるスキルの練習をブロックするのではなく、インターリーブすることで(例えば、aaabbbcccの代わりにabcbcacab)、通常、その後のテストのパフォーマンスを向上させることが示されています。" (Taylor and Rohrer, 2010)

この論文は、現在 285回引用されているようなので、ちゃんとしたものなんだと思います…。 ちょっと論文を読む時間と購入するお金がないのでこのくらいの調査で打ち切ります。いまいちエビデンスに欠けてしまいますが。大学に復帰できたら読み放題なんでしょうね…。

本題

自分は、このインターリービングを二つの方法で使っています。

  1. タスク同士のインターリービング (例: 絵, プログラミング, 論文読み, 読書 を 15分おきに切り替える)
  2. タスクの弱点を補完できるタスクとのインターリービング (例: Posemaniacs とルーミス読書を交互にやる / 強化学習の論文を読みながら強化学習の勉強をする)

「1」に関しては、最初の説明と変わらないので、「2」の説明をします。

前提として、人物画に関する本で、絵をやっている人には簡単に通じる「ルーミス」と呼ばれる、『やさしい人物画』(A. ルーミス, 1976) というものがあります。とにかく有名なポーズデッサンの教科書です。

で、従来の自分なら、Posemaniacs で 30体のポーズを描いてからルーミスを読んで勘違いを修正していたと思うのですが、これをインターリービングに変えました。

具体的には、「ポーズを 10体描くごとに、ルーミスの本を適当に開き、数分読む」という感じです。 ポーズの本なので、文脈に強く依存したものではなく、どこを読んでも自分の描いた方法が間違いだったことに気づくので、結構いい方法を見つけたんじゃないかと思います。

それに、ルーミスを単体で読もうとすると (自分は) 精神的にキツいので、これを緩和する役割も果たしています。

Day-25 で問題として取り上げた、精神的負荷と肉体的負荷を、時間方向に中和した、ということなんだと思います。 (今は慣れで Posemaniacs ができるので、精神的負荷はかなり低い)

hyper-pigeon.hatenablog.com

絵に関しては、他にも幾つか応用の方法を思い付いているので、色々試してみようと思います。 あとは、今後、どのくらい絵が上手くなるかに懸かっています。

補足など

現状、色々なものが並列で走っている状態 (単体で見ると全部直列ですが) なので、直近はアウトプットがガタ落ちすると思います。 あまりにもアウトプットがスカスカになった場合、インターリービングは忘れて従来の方法に戻します。

一応心理学のジャンルっぽいです。 心理学に対してはそこまで興味がないですが、CC-56 のタスクをコンプリートする手段として即座に行動に反映でき、簡単に試せるので結構優先度は高いです。 YouTube に DaiGoさんが心理学のサーベイを大量に投げてくれているので、自分は散歩中に聴いて参考にしています。

一応、今後エビデンスのあるものはきちんと引用を付けながらブログに書く一方、自分の仮説を雑にまとめたものは「ピジョンロジック」というタグを付けるつもりです。 インターリービングの中でインターリービングをするのは我流になってると思いますが…

話がコロコロ変わりますが、もう一つ、全く別の学問で、新しく読み始めた本があるのですが、これもかなり有効なものっぽいので早めに読み終わって解説したいです。 少し内容が難しいので、時間はかかるかもしれないです (Day-75 くらいまでに書ければいいかな)。

余談ですが、40日目くらいで Balanced-I/O の四つ目の軸を思いつき、ほぼこれで間違いないんじゃないかというものがあったので、いつか書きたいです。最も重要な軸だったかもしれない。

今まで支援していただいた方

名前あまり公開されたくない…などの要望があれば Twitter 等から連絡を頂ければ対応します! 並びは支援して頂いた順番です。